
遺言書で事業・人生の終わりに備える
先日、2020年7月10日から始まった「自筆証書遺言書保管制度」を使いました。
自分が書いた遺言書(いごんしょ)※を、住所管轄の法務局・遺言書保管所が預かってくれる制度です(詳しくはこちら)。
家で保管している遺言書の紛失・損傷を避ける、遺言者死亡後の家庭裁判所の検認手続き省略に有効です。
遺言書を書いた理由は「究極の逆算として、人生の最期から考えたい」と思ったからです。
自分がいつまで生きられるのかは誰にもわかりませんし、予想できません。
人生最期に自分の思いを正確に伝える自信もありません。
預金通帳ぐらいは持っているので、残された人が手続きで極力大変な思いをしないようにしたい気持ちもありました。
※自分が死亡したとき、相続人などに財産をどのように分配するかなど自分の意思を明らかにする書類。
主な方式は、法律の専門家・公証人が作成する「公正証書遺言」と、自分で作成する「自筆証書遺言」がある
遺言書と遺書は違った
遺言書を書く前は
「生きているうちから死ぬことを考えるなんて縁起悪いかな」
「遺書を書くみたいで気が進まない」
そう思っていました。
しかし人間には寿命がありますし、実際書くと遺書とは違いました。
ほんのりセンチメンタルになっていた私ですが、誤字脱字などチェックするうちに、仕事の文書作成とそう変わらない状態になっていました。
ドラマのように泣きながら、意識もうろうとした状態で書くことは無理ですね。
全部手書きなので、涙でインクがにじんだら書き直しです。
私は市販の遺言書作成キット(書き方ガイド付き)を使いました。
遺言書には、ざっくり以下5点を書きました。
1.財産を相続する人の名前・誕生日
2.財産の内訳(預貯金など)
3.「その他遺言者に属する一切の財産を上記1に相続させる」一文
4.遺言執行者に指定する人の名前(上記1と同じ場合もある)
5.付言事項(誰かへのメッセージを書く)
遺書に似たところがあるとすれば、上記5でしょうか。
私の場合は個人事業主ということもあり、「売掛金債権も忘れずに手続きしてほしいので、顧問税理士に連絡してね」といった内容も書きました。
あわせて遺言書を書くことを、顧問税理士にも伝えています。
法務局で預かってもらうときに気を付けること
法務局・遺言書保管所に保管してもらう場合は、様式にも注意です。
例えば余白のサイズも決まっています(詳しくはこちら)。
自筆証書遺言書保管制度の手続き予約はネットでも可能ですが、私は見学を兼ねて現地(法務局・遺言書保管所)でしました。
書類一式を持っていたので見てもらったところ、遺言書右側の余白が3mm程度不足していました。
予約当日は書き直したものを保管してもらいました。
予約当日までに、ざっくり以下5点の書類が全部そろっているのかも要チェックです。
1.遺言書(ホッチキス止めしない。封筒もいらない)
2.申請書(事前に書いておく。詳しくはこちら)
3.添付書類(3か月以内に発行された本籍の記載がある住民票写しなど)
4.本人確認書類(有効期限内のマイナンバーカードなど1点)
5.1通の手数料3,900円分の収入印紙(納付用紙の貼付欄、真ん中・縦に貼る。法務局内の印紙売場でも買える)
法務局・遺言書保管所での手続き後
法務局・遺言書保管所での手続きは、30分程度です。保管証(再発行できない)を受け取って終了です。
気が変わったら書き直せることも教えてもらいました。
確かに預貯金の内訳、残したいメッセージが変わる可能性は今後十分にあります。
私は人生の節目に再び書こうかなと思っています。
残された人が私のささやかな財産の手続きで多少困らないようにできたことは、安心につながりました。
引っ越し時は住所変更を忘れないように気を付けます。
【2020年11月29日追記】
伝えたいことを遺言書に書ききれないとき、「エンディングノート」に託す方法もあります。
最近は名称・種類が豊富ですね。私は遺言書作成キットと同じメーカーでそろえました。
書店・文房具店で、自分に合うものを見つけてみるのはどうでしょう。
【引用(リンク)・参考文献】
法務省のホームページ「法務局における自筆証書遺言書保管制度について」
※こちらのブログは、引用・参考文献、個人の経験・見解をもとに書いています
※制度は変更になる場合がありますので、現行のものを確認してください
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